Nature ハイライト

地球:スマトラ-アンダマン地震を解剖する

Nature 440, 7080

2004年12月26日にインド洋で壊滅的な津波を引き起こした地震の研究から、このような巨大地震がどこでどのようにして起きるのか、その仕組みについて再考が必要となってきた。  J-P Avouacたちは、マグニチュード9.1の地震に伴って起こった地表の変形を正確に測定し、インドプレート、オーストラリアプレートおよび太平洋プレートの境界に沿って「すべり」が発生した位置、また、蓄積されて地震を引き起こしたプレート運動と破壊を結びつける機構を探り出した。この巨大地震はスンダ沈み込み巨大逆断層とよばれる長さ1500 kmの境界に沿って発生したが、そこは互いにつながっているインドプレートとオーストラリアプレートが、太平洋プレートの下に押し込まれているところである。このような地震は、収束するプレートが固着し、その後急激なすべりによって「ずれる」ときに起きる。  2004年の地震のように大きな地震はごくまれにしか起こらないので、地震が起きる際の条件は地質学的に十分解明されていない。津波を引き起こしたこの地震の規模はこれまでこの地域で起きた地震から予測されたよりも大きかった。そして、地震による破壊が起きた最初の500秒間に続くその後の数週間に、最初のすべりの30パーセントにも達する、意外なほど大きな付加的すべりがプレート境界の浅部で発生したと推定される。

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