Nature ハイライト

気候科学:最終氷期極大期以降の全球表面温度の再構築

Nature 599, 7884

約2万年前の最終氷期極大期以降の気候の変遷は、かねて研究されている。しかし最近まで、時間的に変化する全球的な再構築結果を得ることは困難であった。気候モデルは制約条件が少な過ぎることが多く、古気候の代理指標から直接推定するには解釈の難しさが伴っている。今回M Osmanたちは、海面温度に関連する数百の気候代理指標を集め、それらをデータ同化と呼ばれる過程を通して気候モデルに組み込んでいる。そのため、この気候モデルは広範に及ぶデータによって制約されており、全領域の気候を過去2万4000年にわたり200年間隔でシミュレートできる。この方法によって、最終氷期極大期の終わりから中期完新世までは温暖化が持続しており、その後はほぼ安定した気温が続いていたが、産業革命が始まって急激に温暖化したことが描き出された。

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