Nature ハイライト

神経科学:脊髄再生におけるミクログリアの役割

Nature 587, 7835

脊髄の損傷がグリア性瘢痕の形成につながり、軸索の再生が妨げられることは、以前から知られている。しかし、新生仔マウスでは挫滅損傷後の脊髄でも治癒が起こる。今回Z Heたちは、新生仔マウスのミクログリアが脊髄損傷後の再生を導くことを見いだしている。単一細胞RNA塩基配列解読によって、新生仔のミクログリアでは活性化されているが、成体のミクログリアでは活性化されていない分子的特徴が見つかった。成体のミクログリアが同等レベルの再生を導けない理由は、これで説明できる可能性がある。一方、新生仔のミクログリア、あるいはペプチダーゼ阻害物質で処理して新生仔のミクログリアに性質を近づけた成体のミクログリアを脊髄損傷した成体マウスに移植したところ、神経再生は復活した。

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