Nature ハイライト

神経科学:ミクログリアはニューロンの興奮を弱める

Nature 586, 7829

脳内のミクログリアは、細胞残屑や死にかけているニューロンを除去し、機能していないシナプスを剪定することが知られている。ミクログリアはまた、生存因子の分泌などのさまざまな方法でニューロンを支えている。A Schaeferたちは今回、マウスにおいて、ミクログリアはニューロン活動を抑制することもでき、その結果、行動応答を変えられることを報告している。ニューロン活動の抑制は、神経活動に応じてニューロンから放出される細胞外ATPを感知して異化するミクログリアの能力に依存しており、このATPはミクログリア依存的な様式でアデノシンに変換される。これらの結果から、ニューロンの興奮性を調節している予期外のネガティブフィードバック機構が明らかになり、疾病状態でニューロンの情報処理が破壊され得る仕組みについて、新たな考えがもたらされた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度