Nature ハイライト

材料科学:ヒトのエナメル質微結晶の超微細構造

Nature 583, 7814

ヒトの歯の断面図。外側の白い部分がエナメル質。
ヒトの歯の断面図。外側の白い部分がエナメル質。 | 拡大する

Credit: Mohammed Haneefa Nizamudeen / iStock / Getty Images Plus

今回D Joesterたちは、ヒトの成熟したアパタイト(歯のエナメル質に見られる結晶)における化学勾配を明らかにしている。彼らは、各結晶内では、ナトリウムイオン、フッ化物イオン、炭酸イオンに富むコアが、マグネシウムに富む2枚の層で挟まれていることを見いだした。力学モデルからは、化学勾配の結果として生じる残留応力が、微結晶を機械的に強くするのに寄与している可能性が示唆された。さらに著者たちは、この化学勾配がエナメル質形成過程において機能的に重要である可能性も提案している。

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