Nature ハイライト

幹細胞:ストレスにより活性化された交感神経系が白毛化を促す

Nature 577, 7792

さまざまな機構(例えば紫外線ダメージや加齢)によって起こる毛髪メラノサイト幹細胞(MeSC)の喪失が、白毛化の原因の1つであることが明らかになっている。Y Hsuたちは今回、マウスにおいて、異なる3つのストレス要因(精神的あるいは物理的)はいずれも白毛化の促進につながり、その原因は数日以内に起こるMeSCの永久的な喪失であることを示している。一般に信じられている説とは異なり、MeSCへのストレスの影響は、免疫攻撃や古典的なストレス関連ホルモンとは無関係だった。というよりも、ストレスが交感神経系の活性化の引き金になり、神経伝達物質のノルアドレナリンがMeSCに直接作用して、MeSCを増殖させて使い果たしてしまうことによりMeSCが枯渇するのである。このため、マウスでサイクリン依存性キナーゼ阻害剤を局所投与してMeSCの増殖を抑制すると、MeSCの喪失と白毛化が防がれた。

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