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幹細胞:交感神経の過剰な活性化はメラノサイト幹細胞の枯渇を促す
Nature 577, 7792 doi: 10.1038/s41586-020-1935-3
経験的あるいは事例的な証拠から、ストレスは白毛化(色素のない毛の形成)の促進と関連付けられてきたが、この関連性は科学的にはほとんど検証されていない。今回我々は、マウスにおいて、急性ストレスがメラノサイト幹細胞の急速な枯渇を介して白毛化を引き起こすことを報告する。我々は、副腎摘出、除神経、化学遺伝学、細胞除去、メラノサイト幹細胞特異的なアドレナリン受容体のノックアウトを組み合わせて、ストレス誘導性のメラノサイト幹細胞の喪失が免疫の攻撃や副腎ストレスホルモンとは無関係であることを見いだした。というよりも、白毛化はメラノサイト幹細胞ニッチを支配する交感神経の活性化によって起こっていた。ストレス条件下では、これらの交感神経の活性化により、神経伝達物質のノルアドレナリン(別名ノルエピネフリン)が一気に放出される。このため、休止状態のメラノサイト幹細胞が急速に増殖し、引き続いて分化と移動が起こって、幹細胞はニッチから永久的に失われる。メラノサイト幹細胞の増殖を一過的に抑制すると、ストレス誘導性の白毛化が防がれた。我々の研究は、急性ストレスにより誘導されるニューロンの活動が、体性幹細胞の急速かつ永久的な喪失を促し得ることを実証しており、体性幹細胞の維持が個体の全体的な生理学的状況から直接影響を受けるという一例を示している。

