Nature ハイライト

遺伝学:ヒトの発生におけるクロマチン構造の獲得

Nature 576, 7786

ヒトの染色体は、CTCFなどのタンパク質によって、トポロジカルドメイン(TAD)として知られる自己相互作用領域に組織化される。今回J Liuたちは、マウスの精子とは異なり、ヒトの精子にはこのようなクロマチンドメインとCTCFが存在しないことを見いだしている。このため、受精したヒト胚は明確に3D組織化せず、3D組織化は発生過程を通じてゆっくりと出現する。ヒトとマウスのもう1つの違いは、ヒトでは接合子ゲノム活性化(ZGA)の際にCTCF発現が非常に上昇するため、TADの形成にはZGAが不可欠であることである。

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