Volume 576 Number 7786

Editorials

研究公正には、トップダウンによる決定よりも草の根からの取り組みが重要である。

When it comes to good practice in science, we need to think global but act local p.181

doi: 10.1038/d41586-019-03782-z

建造環境を持続可能なものにするには、建築家が行動科学者と協同する必要がある。

Architecture, design and behavioural science need to get talking about sustainability p.181

doi: 10.1038/d41586-019-03783-y

シュプリンガー・ネイチャーは、学会やイベントにおける多様性の促進を目指した新しい行動規範を発表する。

Nature Conferences: no more ‘manels’ p.182

doi: 10.1038/d41586-019-03784-x

News

世界的な同時期の近代化である「枢軸時代」が、年代や場所、機構的に非常に複雑な経緯を経ていたことが、ビッグデータから明らかに。

When did societies become modern? ‘Big history’ dashes popular idea of Axial Age p.189

doi: 10.1038/d41586-019-03785-w

大地震を引き起こしてきた北米のカスカディア断層とサンアンドレアス断層が連動しているとの研究結果が。

Two of the biggest US earthquake faults might be linked p.191

doi: 10.1038/d41586-019-03769-w

シュプリンガー・ネイチャーとワイリーが、中国のマイノリティーを対象にした研究に倫理的懸念があると検証を。

Science publishers review ethics of research on Chinese minority groups p.192

doi: 10.1038/d41586-019-03775-y

西南極氷床の温暖化への脆弱性の手掛かりを求めて、南極点付近のヘラクレスドームで大規模な氷床コア掘削プロジェクトが。

The hunt for ancient ice that witnessed West Antarctica’s collapse p.193

doi: 10.1038/d41586-019-03793-w

News Features

因果関係の検出

The gene-based hack that is revolutionizing epidemiology p.196

疫学データから因果関係を推測するために多用されている「メンデルランダム化解析」と呼ばれる手法には、問題もあることが明らかになってきている。

doi: 10.1038/d41586-019-03754-3

危機にある理論

What’s next for psychology’s embattled field of social priming p.200

近年、再現性の問題から揺れている「プライミング効果」を救おうと、社会心理学者たちは研究手法を改善して過去の成果を検証している。

doi: 10.1038/d41586-019-03755-2

News & Views

医学研究:皮膚の損傷を癒す既製の細胞シーラント

Ready-made cellular plugs heal skin wounds p.215

今回、皮下の繊維組織の薄いシートに、深い創傷を癒すことができる、事前に作られた可動性の細胞シートが含まれていることが見いだされた。これは、瘢痕や潰瘍の治療に影響を及ぼす可能性がある。

doi: 10.1038/d41586-019-03602-4

物性物理学:これまで知られていなかった方法による熱伝達

Heat transferred in a previously unknown way p.216

今回、真空ギャップで隔てられた2つの物体間の熱輸送が量子ゆらぎによって可能になることが、実験的に示された。この効果は、ナノスケールのデバイスにおける熱伝達の利用と制御に活用できる可能性がある。

doi: 10.1038/d41586-019-03729-4

構造生物学:変異を微調整して薬剤に抵抗するマラリア原虫

Malaria parasites fine-tune mutations to resist drugs p.217

マラリア原虫の薬剤抵抗性は、輸送タンパク質の変異によって生じる。今回、輸送タンパク質の構造から、主要な変異が異なる薬剤に対する抵抗性をどのようにもたらしているかについての分子基盤が明らかになった。

doi: 10.1038/d41586-019-03587-0

太陽物理学:太陽の秘密に近づく一歩

A step closer to the Sun’s secrets p.219

NASAのパーカー・ソーラー・プローブは現在、太陽との一連の近接遭遇を行っている。今回、この探査機による最初の観測結果によって、太陽とその環境に関する理解が深まった。

doi: 10.1038/d41586-019-03665-3

電子工学:グラフェンでできたウエアラブル光センサー

Wearable graphene sensors use ambient light to monitor health p.220

今回、ナノ粒子で被覆したグラフェンを使って、組織を通過する環境光でヒトの脈拍や血中酸素濃度を測るウエアラブル光センサーが作られた。これは、健康モニタリングのプラットフォームとなる可能性がある。

doi: 10.1038/d41586-019-03483-7

Articles

太陽物理学:太陽近傍の高エネルギー粒子環境の探査

Probing the energetic particle environment near the Sun p.223

doi: 10.1038/s41586-019-1811-1

太陽物理学:太陽近傍の太陽風内のアルヴェン波速度スパイクと回転流

Alfvénic velocity spikes and rotational flows in the near-Sun solar wind p.228

doi: 10.1038/s41586-019-1813-z

太陽物理学:Fコロナの減少とKコロナの微細構造の太陽近傍での観測

Near-Sun observations of an F-corona decrease and K-corona fine structure p.232

doi: 10.1038/s41586-019-1807-x

太陽物理学:赤道コロナホールから出現する高度に構造化された低速度太陽風

Highly structured slow solar wind emerging from an equatorial coronal hole p.237

doi: 10.1038/s41586-019-1818-7

物性物理学:量子ゆらぎを通して真空を越えるフォノン熱伝達

Phonon heat transfer across a vacuum through quantum fluctuations p.243

doi: 10.1038/s41586-019-1800-4

ナノスケール材料:ナノスケール電磁気学のための一般的な理論的・実験的枠組み

A general theoretical and experimental framework for nanoscale electromagnetism p.248

doi: 10.1038/s41586-019-1803-1

材料科学:湿性煙道ガス中でのCO2捕捉を目的とした金属有機構造体のデータ駆動型設計

Data-driven design of metal–organic frameworks for wet flue gas CO2 capture p.253

doi: 10.1038/s41586-019-1798-7

生態学:海洋動物の日周鉛直移動の全球的衛星観測

Global satellite-observed daily vertical migrations of ocean animals p.257

doi: 10.1038/s41586-019-1796-9

進化学:歯のエナメル質のプロテオームからギガントピテクス属が初期に分岐したオランウータン類であったことが明らかになった

Enamel proteome shows that Gigantopithecus was an early diverging pongine p.262

doi: 10.1038/s41586-019-1728-8

神経科学:選択、運動およびエンゲージメントの符号化のマウス脳全体にわたる分布

Distributed coding of choice, action and engagement across the mouse brain p.266

doi: 10.1038/s41586-019-1787-x

がん遺伝学:診断時と再発時のETMRの分子的全体像

The molecular landscape of ETMR at diagnosis and relapse p.274

doi: 10.1038/s41586-019-1815-x

幹細胞:MLLT3はヒトの造血幹細胞の自己複製と生着をつかさどる

MLLT3 governs human haematopoietic stem-cell self-renewal and engraftment p.281

doi: 10.1038/s41586-019-1790-2

医学研究:動員された筋膜による深い創傷のパッチ修復

Patch repair of deep wounds by mobilized fascia p.287

doi: 10.1038/s41586-019-1794-y

免疫学:CAR T細胞におけるc-Junの過剰発現は疲弊耐性を誘導する

c-Jun overexpression in CAR T cells induces exhaustion resistance p.293

doi: 10.1038/s41586-019-1805-z

分子生物学:発生期のROSが生物のストレス耐性と寿命の個体差を生み出す

Developmental ROS individualizes organismal stress resistance and lifespan p.301

doi: 10.1038/s41586-019-1814-y

遺伝学:ヒト胚におけるクロマチン構造の確立にCTCFが担う重要な役割

Key role for CTCF in establishing chromatin structure in human embryos p.306

doi: 10.1038/s41586-019-1812-0

微生物学:微生物による光駆動型で嫌気的なマンガン酸化

Light-driven anaerobic microbial oxidation of manganese p.311

doi: 10.1038/s41586-019-1804-0

構造生物学:熱帯熱マラリア原虫の輸送体PfCRTの構造と薬剤抵抗性

Structure and drug resistance of the Plasmodium falciparum transporter PfCRT p.315

doi: 10.1038/s41586-019-1795-x

構造生物学:マイコバクテリアVII型分泌装置の構造

Architecture of the mycobacterial type VII secretion system p.321

doi: 10.1038/s41586-019-1633-1

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