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腫瘍の微小環境に炎症を起こさせるためにがん遺伝子依存と非がん遺伝子依存を標的とする

Nature Reviews Drug Discovery 21, 6 doi: 10.1038/s41573-022-00415-5

免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は、複数の腫瘍の臨床管理を一変させた。しかし、ICIに反応する患者はごくわずかであるため、耐性機構の特定に大きな関心が集まっている。そのような機構の1つは、さまざまな発がん経路の能力と、形質転換した細胞の生存に必要なストレス応答経路の能力を反映していて(一般に「非がん遺伝子依存」と呼ばれる状況)、悪性細胞の生存および/または増殖に有利に働くことによってだけでなく、免疫学的に「冷たい」腫瘍微小環境(TME)を確立することによっても腫瘍のプログレッションを支える。このように、がん遺伝子依存と非がん遺伝子依存の両方が、TMEに炎症をロバストに起こさせてICIに対する優れた反応を可能にする、有望な標的として際立つ存在である。

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