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抗体のエフェクター機能とバイオ医薬品の設計におけるアビディティー

Nature Reviews Drug Discovery 21, 10 doi: 10.1038/s41573-022-00501-8

抗体は、免疫系の主要なエフェクター分子であり、バイオ医薬品として、非常に大きな成功を収めている。エピトープ多様性を有するポリクローナル抗体混合物の産生は、適応免疫応答の重要な一部であり、この抗体混合物は、結合を阻害し、体液性エフェクター機能と細胞性エフェクター機能を仲介することで、侵入病原体や病原分子を中和できる。アビディティー(複数の個別の非共有結合性相互作用のアフィニティーから導き出される結合力の総和)は、抗体–抗原結合、クローン選択とエフェクター機能を含む抗体の生物学的特性のほぼ全ての側面の基礎をなしている。その後、抗体のアビディティーの操作が、抗体バイオ療法における新規特性を増強/改変するための重要な設計原理として登場した。本総説では、自然抗体の生物学的特性と治療的応用の両方において機能的応答の全体的な有効性と制御を引き起こす複数レベルのアビディティー相互作用について述べる。本総説では、この枠組みの中で、特に遺伝子操作による最適化と遺伝子操作プラットフォームに重点を置き、治療用抗体の作用機構を包括的に概説する。まとめると、本論文は、遺伝子操作された抗体フォーマットのアフィニティーとアビディティーをいかに調整するかによって、カスタマイズされた特性と新規機能を持つ差別化された抗体薬が続々と登場し、これによってさまざまな疾患に対する治療選択肢の改善が約束されているかを説明している。

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