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創薬における天然物:進歩と機会

Nature Reviews Drug Discovery 20, 3 doi: 10.1038/s41573-020-00114-z

天然物とその構造類似体は、これまで特にがんと感染症の薬物療法に対して大きな貢献をしてきた。その一方で、天然物は、創薬における数々の課題にもなっている。例えば、スクリーニング、単離、特性評価、最適化に対する技術的障壁が生じ、そのために1990年代以降は、製薬業界で天然物による創薬が減った。近年、いくつかの技術的展開と科学的展開、例えば分析ツールの改良、ゲノムマイニング戦略とゲノム工学戦略、微生物培養の進歩によって、このような課題に取り組み、新たな機会が開かれるようになった。その結果、特に抗菌薬耐性への取り組みにおいて、薬剤のリード化合物としての天然物への関心が再び高まっている。本総説では、天然物による創薬を可能にする最近の技術開発を要約し、厳選した応用例を取り上げ、重要な機会について論じる。

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