Review Article

治療標的としてのRIPK1

Nature Reviews Drug Discovery 19, 8 doi: 10.1038/s41573-020-0071-y

RIPK1(receptor-interacting serine/threonine-protein kinase 1)は、細胞死および炎症の重要なメディエーターである。RIPK1のアロステリック調節ドメインには独特の疎水性ポケットによって、それのキナーゼ活性の極めて選択的な小分子阻害剤の開発が可能になっており、こうした阻害剤は、前臨床モデルと臨床試験において安全性が実証されている。これらのRIPK1阻害剤は、単一遺伝子性および多遺伝子性の自己免疫疾患、炎症疾患、神経変性疾患、虚血性疾患、そして敗血症のような急性疾患の治療に適用できる可能性がある。本論文では、RIPK1の生物学的性質とRIPK1シグナル伝達経路の疾患関連変異について概説し、RIPK1阻害剤の臨床試験および開発上の課題を軽減する可能性のある戦略に光を当てる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度