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希少疾患の治療法:治療様式、進展と今後の課題

Nature Reviews Drug Discovery 19, 2 doi: 10.1038/s41573-019-0049-9

ほとんどの希少疾患は、研究が大きく進展して分子基盤を解明するためのツールが得られるようになっただけでなく、具体的な治療法の開発を促進するための規制的インセンティブと経済的インセンティブを与える立法措置が取られたにもかかわらず、承認された治療法が存在しない。こうした橋渡しの欠落に取り組むことは、多面的な課題であり、その重要な側面の1つが、希少疾患に関する知識の進歩を治療薬候補に橋渡しするために最適な治療様式の選択である。こうした治療薬は、オーファンドラッグと呼ばれる。このことを念頭に置き、本論文では、小型分子、モノクローナル抗体、タンパク質置換療法、オリゴヌクレオチド、遺伝子療法、細胞療法、ドラッグ・リパーパシングを含む主要な治療様式の技術的基礎と希少疾患への適用について論じる。それぞれの治療様式については、希少疾患治療法の開発プラットフォームとしての長所と限界を考察し、それに基づく薬剤開発におけるこれまでの臨床的進展を説明する。我々はまた、希少疾患治療法の開発に関する重要テーマの一部、例えば、承認に関する統計、開発過程における患者の関与、規制経路、デジタルツールについても論じる。

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