Review Article

慢性疾患の治療標的としてのNRF2とKEAP1のパートナー関係

Nature Reviews Drug Discovery 18, 4 doi: 10.1038/s41573-018-0008-x

転写因子NRF2(NF-E2 p45-related factor 2;NFE2L2にコードされている)と、その主要な負の調節因子でE3リガーゼのアダプターであるKEAP1(Kelch-like ECH-associated protein 1)は、酸化還元、代謝、タンパク質の恒常性維持だけでなく、炎症の調節にとっても極めて重要である。そのため、NRF2を活性化させれば、肺と肝臓の慢性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患、代謝疾患、がんのイニシエーションをはじめとする数多くの病態に対する細胞保護作用が得られる。これまでにNRF2活性化剤(1種)が臨床承認を受けており、現在は、システインが関与するセンサーであるKEAP1の親電子修飾剤とNRF2-KEAP1相互作用の阻害剤の臨床開発がそれぞれ数種類ずつ進められている。ただし、標的特異性、薬力学的性質、有効性、安全性に関する諸課題は解決されていない。

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