Review Article

がんにおけるインターフェロンαおよびβ:新たな知見がもたらす治療機会

Nature Reviews Drug Discovery 18, 3 doi: 10.1038/s41573-018-0011-2

過去10年の間に、悪性細胞に対する効果的な宿主免疫応答にインターフェロンの不可欠な役割を持っていることが、前臨床研究や臨床研究によって確かめられた。I型インターフェロン(IFNαおよびIFNβ)は、100を超える下流遺伝子群の転写を直接調節しており、その結果として、腫瘍に対して(がん細胞への)直接的、あるいは(免疫エフェクター細胞と脈管構造を介して)間接的な数多くの影響をもたらす。腫瘍とその微小環境におけるI型インターフェロンの内因性活性化および外因性活性化に関する新たな知見によって、創薬およびインターフェロンを標的とした戦略の患者の評価に弾みがついた。以前の観察結果や他の効果的ながん治療手法を組み合わせると、インターフェロン系の調節によって、がんの罹患率と死亡率をさらに減少させられる可能性がある。本総説では、サイクリック・ジヌクレオチドからゲノムメチル化阻害剤、血管新生阻害剤、化学放射線療法、ネオアンチゲンを標的とするモノクローナル抗体との複合体、他の新しい治療介入との併用、そしてインターフェロン誘導遺伝子の発現と患者の予後との関連性まで、インターフェロンを標的とした新たな機会について広範囲にわたって考察する。これらは全て、トランスレーショナルな臨床評価にすでに入っているか、間もなく入る予定の戦略である。

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