Perspective

接着性Gタンパク質共役型受容体:創薬の機会

Nature Reviews Drug Discovery 18, 11 doi: 10.1038/s41573-019-0039-y

GPCRスーパーファミリーの5つの主要ファミリーの1つである接着性Gタンパク質共役型受容体(aGPCR)には、複数のドメインを有する大型のN末端、自己タンパク質分解的に切断できる高度に保存された領域などのいくつかの非定型的性質がある。GPCRは、総じて薬理学的に扱いやすいことが十分に確立されているが、現在のところ、aGPCRファミリーの33種のメンバーのいずれかを標的とする治療法は承認されておらず、臨床試験も行われていない。しかし、近年の人類遺伝学研究と前臨床研究により、aGPCRと疾患の関連がさらに裏付けられた。これが、aGPCRの機能的複雑性の理解が進んだことと相まって、創薬標的としてのaGPCRへの関心の高まりにつながった。従って、aGPCRの創薬標的としての優先順位付けの枠組みとaGPCRモジュレーター開発の支援方法は、aGPCRの未利用の治療的有効性を利用する上で貴重なものとなる可能性がある。このことを念頭に、本論文では、ADGRG1を説明に役立つ実例として用い、aGPCRの機能調節を目的とした創薬のためのまたとない機会と諸課題を考察し、例えば、創薬標的分子の同定と検証、アッセイ開発、安全対策について論じる。

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