Review Article

3′,5′-環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼを治療標的とする:阻害戦略および阻害を超える戦略

Nature Reviews Drug Discovery 18, 10 doi: 10.1038/s41573-019-0033-4

ホスホジエステラーゼ(PDE)は、種々の3′,5′-環状ヌクレオチドを分解するという酵素群であり、神経系、循環器系、稔性、免疫、がんおよび代謝に影響を及ぼすいくつかの疾患の治療標的として探究されている。臨床開発プログラムは、触媒活性の阻害にもっぱら焦点が合わせられてきており、これは現在進められている創薬に向けた努力についても同様である。しかし、新たに得られた証拠は、触媒活性の増強、変化した細胞内区画化の正常化、翻訳後の修飾の調節などのPDE機能を治療に標的とする新規戦略や、PDEを疾患バイオマーカーとして使用できる可能性を支持している。重要なことに、PDEの機能および輸送(trafficking)を調節する分子内機構についてより正確な知見が明らかになりつつあり、こうした先駆的な創薬に向けた努力を受け入れやすい状況にある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度