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インターロイキン6:複雑なサイトカインのための特定の治療法を設計する

Nature Reviews Drug Discovery 17, 6 doi: 10.1038/nrd.2018.45

インターロイキン6(IL-6)は、免疫細胞の増殖および分化の調節を含めた多様なレパートリーの生理機能を持つ重要なサイトカインである。IL-6のシグナル伝達の調節不全は、関節リウマチのような炎症性疾患やキャッスルマン病のようなリンパ増殖性疾患に関わっており、IL-6シグナル伝達経路の構成要素を標的とするいくつかの種類の治療法がすでに開発されている。これまで、IL-6やIL-6受容体(IL-6R)に対するモノクローナル抗体、そしてJAK(Janus kinase)阻害剤が、関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療薬として開発されてきた。しかしながら、IL-6シグナル伝達を標的とする試験薬の臨床試験はまた、そうした試験薬が適切なベネフィット–リスク・プロファイルを持つ疾患および患者集団について疑問を投げ掛けてきた。臨床試験から得られた知見、およびIL-6シグナル伝達の複雑さ(IL-6のトランスシグナル伝達経路を標的とする可能性など)に対する我々の理解の進歩によって、今では治療介入の新たな機会が示唆されている。本総説では、健康および疾患におけるIL-6の役割を概説し、IL-6遮断を適用する時期および方法を明らかにすることを目的として、IL-6シグナル伝達を阻害するいくつかの方法によって進展を解析する。

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