Review Article

エボラウイルス感染症とマールブルグウイルス感染症の曝露後治療

Nature Reviews Drug Discovery 17, 6 doi: 10.1038/nrd.2017.251

エボラウイルス、マールブルグウイルスなどのフィロウイルスは、ヒトや非ヒト霊長類(NHP)において致死性出血熱を引き起こす。フィロウイルスは、自然獲得型疾患を起こし、バイオテロリズムの手段になり得るため、全世界で健康への脅威となっている。最近(2013〜2016年)のエボラウイルスの大流行では、フィロウイルス疾患のゴールドスタンダートNHPモデルを使って有効性が実証された最も有望な曝露後治療薬が、エボラウイルスに感染した患者において統計的に有意な防御効果を示せなかった。本総説では、こうした失敗とこの経験から学んだ教訓を簡潔に論じ、開発段階にある曝露後の医学的対策(抗体、低分子干渉RNA、低分子薬物など)の現状を概説する。また、現在の知識を応用して新たな介入を見つけ出す過程とそうした介入の有効性を高める使用法についても概説する。

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