Review Article

創薬における機構的酵素学という新鮮な視点

Nature Reviews Drug Discovery 17, 2 doi: 10.1038/nrd.2017.219

がん領域におけるキナーゼ阻害剤などの低分子酵素阻害剤は、高い治療効果を示し、商業的成功を収めているため、酵素標的は、現在の創薬研究と新薬開発研究の主要な焦点の1つになっている。酵素触媒反応の過程を理解することは、さまざまな種類の阻害剤を概念的に説明し、目的の機構を特定するためのスクリーニングの設計に情報を提供する上で役立つ。この情報を活用すれば、多様な化合物の綿密な評価ができ、他と区別される薬剤候補に向けたリード化合物の効率的な最適化に必要な知識が得られる。本総説では、質の高い機構的酵素学の研究を行うことの根拠を取り上げ、この研究とオルソゴナルな生物物理学的方法を組み合わせることによる付加価値を考察する。

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