Review Article

フラビウイルス感染症の広域スペクトル薬:デングウイルス、ジカウイルスと今後流行するウイルス

Nature Reviews Drug Discovery 16, 8 doi: 10.1038/nrd.2017.33

デングウイルス、ウエストナイルウイルスと最近再び流行しているジカウイルスなどのフラビウイルスへの感染は、増大しつつあるグローバルリスクであり、永続的リスクとなる可能性が高い。本総説では、複数のフラビウイルスに対して抗ウイルス活性を示す広域スペクトル薬の可能性について要約し、意見を述べる。広域スペクトル活性は、未知のウイルスや顧みられないウイルスによって起こり得る新たなフラビウイルス感染症の流行への備えとして特に望ましい。広域の抗フラビウイルス活性スペクトルを有する化合物の分子標的となり得るのが、ウイルスタンパク質(例えば、ウイルスプロテアーゼやウイルスポリメラーゼ)であり、各種フラビウイルスが侵入時と複製時に利用する宿主側標的(例えば、α-グルコシダーゼやヌクレオシド生合成に関与するタンパク質)である。広域の抗ウイルス活性スペクトルを有する化合物は、標的特異的な解析や表現型の解析によってすでに数多く発見されている。その他の化合物の場合には、その作用機序と分子標的によって広域スペクトル活性を予想できる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度