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誘導多能性幹細胞技術:10年間の進歩

Nature Reviews Drug Discovery 16, 2 doi: 10.1038/nrd.2016.245

誘導多能性幹細胞(iPSC)技術が10年前に登場して以来、幹細胞生物学および再生医学の分野において数多くの進歩がもたらされた。ヒトiPSCは疾患のモデル化、創薬および細胞治療の開発などに幅広く使われてきた。いくつかの新しい病理学的メカニズムが明らかとなり、iPSCスクリーニング由来の薬剤が新薬候補となっている他、ヒトiPSC由来産物を使った最初の臨床試験はすでに開始されている。特に、ヒトiPSC技術を、最近発展している遺伝子編集や三次元オルガノイドと組み合わせることで、プレシジョン・メディシン(precision medicine)を含めたiPSCの適用領域のそれぞれにおいて、iPSCに基づく基盤がより強力なものになる。本総説では、特に創薬や再生医療と関連のあるiPSC技術の応用における進歩を論じ、残されている課題とiPSC技術分野の新たな機会について検討する。

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