Review Article

タウを基盤とする神経変性疾患の治療法:機会と課題

Nature Reviews Drug Discovery 16, 12 doi: 10.1038/nrd.2017.155

微小管結合タンパク質のタウからなる凝集体は、タウオパチーと総称されるいくつかの神経変性疾患を決定付ける特徴であり、アルツハイマー病(AD)の顕著な特徴的病変の1つである。今までのところ、アミロイドβを標的としたADの治療法は効果がないため、代わりの標的となり得るタウに対する関心が高まっている。現在臨床試験が進行しているいくつかの治療薬候補は、タウタンパク質濃度を減少させたり、タウタンパク質の凝集や病理学的な翻訳後修飾を妨げたりすることをねらったものである。本総説では、行われている前臨床研究および臨床研究についてタウの生理学的役割および病理学的役割に関する理解が深まったことを踏まえて述べ、また、タウオパチーのモデル動物の進歩、新しい治療標的の特定、タウを追跡するいろいろな新規トレーサーの有効性について議論する。

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