Review Article

WD40リピートドメインタンパク質:新たな創薬標的クラスとなるか?

Nature Reviews Drug Discovery 16, 11 doi: 10.1038/nrd.2017.179

低分子を用いてタンパク質間相互作用(PPI)に拮抗する方法が治療法となる可能性が高まってきている。有効なPPI阻害剤は、より一般的に見られる大きく平らなタンパク質相互作用面ではなく、ペプチド結合溝、またはペプチド結合ポケットを有するタンパク質を標的とする傾向がある。本論文では、ヒトプロテオームにおいて最も大量に存在するPPIドメインの1つであるWD40リピート(WDR)ドメインについて総説する。WDRドメインは、βプロペラドメインを有するタンパク質ファミリーに属し、その中心部分にはペプチド結合ポケットがある。最近、WDRドメインを有するタンパク質2種(WDR5とEED)だけでなく、他のβプロペラドメインが、強力で特異性が高く、細胞活性を有する薬物様化学プローブの標的となることが明らかになった。WDRドメインは、創薬の新たな標的群となる可能性はあるのだろうか。研究は初期段階にあり、そのため臨床的に確認することはできないが、WDRドメインを有するタンパク質が複数の疾患関連経路に関係しているので、慎重な楽観姿勢をとることが正しいと思われる。WDRドメイン結合ポケットは新薬開発につながるものであり、構造が多様であるため、広く存在するドメインクラスであるWDRドメインを標的とする方法を解明することで、これまで創薬活動が奏功していなかった疾患生物学の分野が開けると示唆される。

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