Perspective

定向進化法:創薬における次の革命か?

Nature Reviews Drug Discovery 16, 10 doi: 10.1038/nrd.2017.146

タンパク質間相互作用などの高い難度の薬物標的を研究することには強い生物学的根拠があるため、DNAコード化ライブラリーなどの新規スクリーニング法の開発が活発に行われるようになり、化合物空間の探索は広大な領域に及んでいる。また、競合生物の重要なシグナル伝達経路の妨害といった特定の機能のための進化的選択の結果である天然物のスクリーニングに対しても再び関心が高まっている。しかし、最近になって天然物の生合成経路の解明、合成生物学、標的分子検出のためのバイオセンサーの開発などいくつかの分野で研究の進展があり、進化圧を直接的に利用して望ましい生理活性を持つ化合物を見つけ出して最適化するための数々の新しい方法がもたらされた。本論文では、そうした方法の重要な構成要素における技術革新について述べ、定向進化法が秘める可能性を示す先駆的実例に注目する。また、この可能性が創薬において広範に実現するために今後取り組む必要のある科学的空白と諸課題についても論じる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度