Review Article

制御的ネクローシス:疾患との関連性と治療機会

Nature Reviews Drug Discovery 15, 5 doi: 10.1038/nrd.2015.6

制御された細胞死が発見されたことで、疾患における細胞の生死に関わる決定を支配できる可能性が浮上し、高い関心を集めている。長年にわたって創薬の中心にあったのはアポトーシスであったが、最近の研究で、これまで知られていなかった制御的ネクローシス性細胞死過程の制御機構とシグナル伝達経路が明らかになった。こうした新たな細胞死過程の一部については、非常に重要なノードが明確に存在していることが明らかになったが、その他の細胞死過程については解明が始まったばかりである。本総説では、制御的ネクローシス性細胞死のさまざまな形態について説明する。例えば、ネクロトーシス、最近注目され始めた細胞死の様式であるフェロトーシス(とそれに関連するオキシトーシス)、あまり解明の進んでいないパータナトスとシクロフィリンDの関与するネクローシスなどについてである。また、こうした非アポトーシス型細胞死を誘導し、阻害する低分子とタンパク質、経路にも注目し、その理解を特定の疾患状況における新たな治療法につなげるための戦略について論じる。

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