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ヒト・カリクレイン関連セリンプロテアーゼの治療的有用性を解き放つ

Nature Reviews Drug Discovery 14, 3 doi: 10.1038/nrd4534

組織のカリクレインは、15種類の分泌型セリンプロテアーゼファミリーで、ヒトゲノムで最も大きなプロテアーゼ遺伝子クラスターによってコードされている。この10年間で、カリクレインの天然の基質、内在性阻害物質およびin vivoでの機能についての特性解析では大きな進展が見られ、また種々の研究から、こうしたプロテアーゼのさまざまな組織での重要な病態生理学的役割が明らかになった。カリクレインは今では、気道、循環器系、歯、脳、皮膚および腫瘍性疾患の新規治療薬開発のための魅力的な標的と考えられている。本総説では、カリクレインプロテアーゼの生理学的機能と病理学的意義の理解に関する最近の進歩について考察し、特にカリクレイン阻害剤の同定に関する進展を取り上げる。これらの進歩が組み合わさることで、選択された疾患に対する治療目的でのカリクレインの標的化が現実のものとなりつつある。

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