Review Article

繊維症の詳細分析:低分子ツールボックスから得られる治療法の手掛かり

Nature Reviews Drug Discovery 14, 10 doi: 10.1038/nrd4592

繊維症にかかると、体内組織の機能が次第に失われ、最終的には臓器不全が起こる。先進国における死亡原因の約45%が繊維症だと推定されているため、繊維化を調節する新しい治療法が緊急に必要とされている。そうした治療法の探索は、病的な繊維化の背後にある機構の解明が大きく進展したことに裏打ちされており、最近になって突発性肺繊維症のための2種類の抗繊維化剤が承認されたことは、この分野の創薬が容易になったことを示している。本総説では、肺、肝臓、腎臓、皮膚の繊維症の治療薬としての評価が進められている低分子の薬理学的性質と構造情報を検討する。特に、これらの薬理学的ツールを用いて得られた知見について論じ、最近明らかになった疾患発現機構の手掛かりや将来的な薬剤併用の可能性に関して、こうしたツールによってどのような情報が得られ、どのような精査が行われるのかという点について論じる。

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