Review Article

リンパ性悪性疾患において病的なB細胞受容体シグナル伝達を標的とする

Nature Reviews Drug Discovery 12, 3 doi: 10.1038/nrd3937

B細胞受容体(BCR)を介したシグナリングは、B細胞の発達および維持の中心をなしている。多くの増殖および生存の経路では、BCRの下流が活性化していることを踏まえると、悪性B細胞腫瘍では、この受容体がそれ自身の成長および生存を促進するために使われていても不思議なことではない。しかしながら、ヒトのリンパ腫におけるBCRシグナル伝達の直接的なエビデンスが明らかになってきたのは、ごく最近のことである。さまざまな異なるリンパ腫のサブタイプにおいて、抗原依存的、抗原非依存的、もしくは生存に必要なBCRのシグナリングの役割が明らかになってきた。さらに、抗原依存的なBCRシグナリングは、多くのほかのさまざまなリンパ腫と相関していることが示唆されている。BCRシグナル伝達経路のエフェクターを標的とした多くの治療薬が現在臨床試験中であり、さまざまなリンパ腫に対して、初期段階では有効性を示している。

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