Review Article

薬剤応答性を変化させる腫瘍–間質相互作用の役割:チャンスと課題

Nature Reviews Drug Discovery 12, 3 doi: 10.1038/nrd3870

一般に、腫瘍感受性を調節する間質細胞および腫瘍の微小環境の役割は、徐々に、現在使用されている抗悪性腫瘍薬による治療法の開発のための主要な検討事項になりつつある。本論文では、腫瘍−間質の相互作用が腫瘍細胞のシグナリング、生存、増殖、および薬剤感受性への影響について述べる。特に間質細胞の能力に重点を置く。間質細胞は腫瘍細胞に対し、異なる種類の治療法に対する耐性もしくは感受性を与える能力を持っており、これは特異的な微小環境の状況に依存している。それが原発巣であれ、転移巣であれ、これらの微小環境の相互作用はさまざまながん、治療薬候補の評価および選択に影響しうる。in vitroのスクリーニングプラットフォームの進展だけでなく、同所および「転移部位(orthometastatic)」の異種移植片マウスモデルにより、治療効果に関する腫瘍微小環境の影響について理解ができるようになった。これらの最新の進歩は、抗悪性腫瘍薬の前臨床試験と臨床試験の間のギャップの橋渡しになることが期待できる。

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