Review Article

秘密の連携: 抗がん剤による免疫刺激

Nature Reviews Drug Discovery 11, 3 doi: 10.1038/nrd3626

腫瘍の微小環境、とりわけ免疫系は、腫瘍の進行および治療に対する応答の調節に関して重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。免疫調節をコードしている遺伝子の多型はもちろんのこと、腫瘍内部に侵入している免疫複合体のように、免疫が応答しているという指標は、治療効果と関係している。さらに、古典的な化学療法や分子標的薬を含むいくつかの抗がん剤は、免疫原性による腫瘍細胞死を誘導すること、あるいは免疫エフェクター機構と連携することで、腫瘍特異的な免疫応答を刺激する。本稿では、細胞毒性を有する薬物が、がんに対して免疫系を活性化する分子および細胞の機構、そしてそれらを治療に応用する意義について述べる。

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