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ベムラフェニブ:BRAF変異を有するがんの治療用に承認された最初の薬剤

Nature Reviews Drug Discovery 11, 11 doi: 10.1038/nrd3847

ドライバー遺伝子の同定によって、がん治療の展望を変えうる重要な薬剤標的がもたらされている。こうした例の1つにBRAFがん遺伝子があり、このがん遺伝子は黒色腫全体のおよそ半数のほか、数種のがんに見いだされる。新薬の開発につながるようなキナーゼとして、発がん性BRAFは小分子の創薬をめざす取り組みの重要な標的となっている。臨床現場での開発が速やかに進み、ベムラフェニブ(vemurafenib、商品名ゼルボラフZelboraf;プレキシコン社/ロシュ社)がBRAF変異を有する転移性黒色腫の治療用に米国で2011年8月に、そして欧州連合では2012年2月に承認された。この総説では、BRAFの基本的な生物学的事項、ベムラフェニブの同定に使われたテクノロジーおよびその臨床開発における画期的な出来事を、その開発過程から学んだ教訓に基づいた今後の見通しとともに記述する。

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