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条件付きヌリング受信機を用いた標準量子限界未満の誤り率での光学的コードワード復調

Nature Photonics 6, 6 doi: 10.1038/nphoton.2012.113

2つのレーザーパルスの量子状態(コヒーレント状態)は決して互いに直交しないので、完全な識別が不可能である。それでも、コヒーレント状態は、古典的通信路の容量、Holevo容量について究極的な量子限界を実現できる。これを実現するには、長いコードワードブロックで結合検出測定する受信機を必要とするが、その光学的実現についてはまだ知られていない。 今回我々は、直接検出で得られたものより最大で40%(2.2 dB)小さいワード誤り率で4変数パルス位置変調コードワードを復調する結合検出受信機を、初めて実験的に実証したことを報告する。ここで示されているのは、これまで報告された標準量子限界を超える最大の誤り率改善である。これは、振幅最適化コヒーレントパルスヌリング、単一光子検出、および量子フィードフォワードを利用した条件付きヌリング受信機で達成された。我々はさらに、深宇宙通信などの実用的なパルス位置変調システム向けに、いかにして符号化の複雑さを改良できるかを示している。我々の実験結果が、Holevo容量を実現する結合検出受信機の構築に向けて将来の研究に刺激を与えることを、我々は期待している。

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