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光位相共役で画像をクリアに

Nature Photonics 2, 2 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue64590

赤外光または可視光を用いた生体試料内部のイメージングは、組織中を伝搬する光子の経路が強い光散乱によって乱されるため、困難である。今回、C Yangらは、光位相共役によって、散乱された光場が試料を通ってその軌跡を逆戻りし、元の光場を再生できることを示している。また、緑色光(532 nm)とニワトリの胸部組織の試料(厚さ0.69 nm)を用いて、そのアイデアを実験的に実証している。この方法は、医用イメージングに有用であることが証明されるかもしれない。また、効率よく光子を導いて組織中の特定位置の色素を励起させるのにこの方法が利用可能であり、光線力学療法に応用できる可能性もある。興味深いことに、そのような位相共役技術は、標的へのエネルギー伝達を促進できる見込みがあり、マイクロ波および超音波領域の治療法に有望であることが既に分かりつつある。

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