Article

並列カオスによるLiDARの時間的混雑と周波数の混雑の解消

Nature Photonics 17, 4 doi: 10.1038/s41566-023-01158-4

自動運転車用センサーにおける高い走査精度と分解能の要求の高まりから、光検出測距(LiDAR)技術における並列化が急速に進展している。しかし、飛行時間型と周波数変調連続波型という既存の2つの主要LiDARカテゴリーの場合、並列検出に現在用いられている光源と測定原理は、時間領域と周波数領域の混雑による厳しい制約に直面しており、測定性能の低下とシステムの複雑さの増大につながっている。今回我々は、カオス的マイクロコム光源を導入してこの問題を克服した。この物理的エントロピー光源は、あらゆる混雑問題に影響されない自然に直交化した光チャネルを示す。我々は、このマイクロコム状態に基づいて、干渉がなくシステムアーキテクチャーが大幅に単純化された並列カオスLiDARという新しいタイプのLiDARを実証する。今回の方法によって、並列LiDARの中で最先端の測距性能、すなわちミリメートルレベルの測距精度とミリメートル毎秒レベルの速度分解能が可能になる。こうした好ましい特性が全て合わさることで、今回の技術は、LiDARエコシステム全体を作り変える可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度