Article

深青色発光の高効率固溶体結晶有機発光ダイオード

Nature Photonics 17, 3 doi: 10.1038/s41566-022-01138-0

結晶有機半導体は、有利な高配向遷移双極子モーメントを持つとともに電荷キャリア移動度が高いため、高性能有機固体発光デバイス用の魅力的な媒質となる可能性があり、原理的には、高効率発光が実現されるはずである。しかし、結晶有機半導体に基づく有機発光ダイオード(C-OLED)は、これまでデバイス性能が劣っていた。今回我々は、深青色蛍光材料の有機固溶体薄膜を用いて高性能C-OLEDを作製する方法を報告する。今回のC-OLEDは、強い光子出力能力を示し、外部量子効率が最高で6.5%、国際照明委員会(CIE)色座標が(0.15, 0.07)付近である。今回のC-OLEDは、駆動電圧が4.0 V@1,000 cd m−2、電力効率が3.9 lm W−1@1,000 cd m–2、直列抵抗ジュール熱損失比(series-resistance joule-heat loss ratio)が11.1%@1,000 cd m−2で、深青色アモルファスOLED(CIEy ≤ 0.08)に勝っているため、次世代OLED技術向けの魅力的な方法である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度