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非常に安定な青色有機りん光発光ダイオード

Nature Photonics 16, 3 doi: 10.1038/s41566-022-00958-4

青色有機りん光発光ダイオード(PhOLED)では、青色蛍光OLEDよりも優れたエレクトロルミネッセンス効率が得られる可能性がある。しかし、特に、CIE(国際照明委員会)色度座標のy座標が0.20未満の深青色PhOLEDについては、デバイス寿命が短いため商業化が遅れている。今回我々は、新しいドーパントとホスト材料を用いて、y座標が0.197で、デバイス寿命LT70(初期輝度(L0)は1,000 cd m–2)が1,113時間と長い青色PhOLEDデバイスを作製したことを報告する。Pt(II)錯体のN-ヘテロ環カルベン部にかさ高い3,5-ジ-tert-ブチル-フェニルを導入することによって、高励起金属中心三重項状態の光化学的安定性が向上するとともに、好ましくないホスト–ゲスト相互作用が妨げられ、デバイスの長寿命化と色純度向上に寄与した。エキシプレックス形成ホストにおいて、正孔輸送ホスト材料と電子輸送ホスト材料にトリフェニルシリル基を利用して安定性を向上させたことも、デバイスの長寿命化につながった。

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