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小型暗視野撮像デバイス向けの角度発光を調整した発光性表面

Nature Photonics 14, 5 doi: 10.1038/s41566-020-0593-1

暗視野顕微鏡法は、生物学分野で広く採用されている標準的な撮像法であり、さまざまな無染色試料に対して高い画像コントラストが得られる。明視野顕微鏡法とは異なり、暗視野顕微鏡法は高空間周波数を強調するため、微小な特徴の強調や解像に用いることができる。しかし、血液細胞、細菌、藻類などの海洋生物の信頼性の高い分析に暗視野顕微鏡法を使用する場合、特殊な大型顕微鏡システムや、暗視野対応の対物レンズや集光レンズなどの高価な追加部品が必要になることが多い。今回我々は、暗視野顕微鏡法に必要な高角度照明錐を試料基板内に直接生成することによって、暗視野顕微鏡装置を単純化・小型化することを提案する。我々は、角度発光プロファイルを制御した発光性フォトニック基板を導入し、標準的な光学顕微鏡装置を用いてマイクロメートルサイズの生物の高コントラスト暗視野像を生成できることを実証する。この新しいタイプの基板は、単純な小型光学顕微鏡に適合する小型ラボ・オン・チップ暗視野撮像デバイスの基礎となる。

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