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微細な制御

Nature Photonics 1, 7 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue57523

ニオブ酸リチウム(LiNbO3)は、非線形光学における優れた材料として既に定評がある。LiNbO3は非線形係数が高く、光学特性が電場に対して非常に敏感なため、光変調器や波長分割多重からもつれ光子発生まで多様な応用分野に使用されてきた。今回のねらいは、この材料を小型光集積回路に組み込み、その有用な特性をかつてより小さなスケールで利用することである。今月号では、A Guarinoらが初めてLiNbO3薄膜中にマイクロリング共振器を作製した。マイクロリング共振器は特定波長の光を捕捉できる。LiNbO3を使用する大きなメリットは、電場を印加することによって共振波長を変えられることである。しかし、これに関する以前の試みにおいて、膜質や亀裂の問題が生じた。今回、Guarinoらのチームは、接着性ポリマーを使用して膜質を改善することにより、波長1.55 μmで共振する直径10 μmのリングを作製した。2つの電極間に100 Vを印加することにより、この共振波長は105 pmシフトする。Guarinoらは、さらに必要電圧を下げる方法に関していくつかアイデアを持っている。

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