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全光学的な解決策

Nature Photonics 1, 12 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue63037

全光通信ネットワークの配備へ向けての流れが続くなか、光信号を最初に電気信号に変換しなくても操作できるデバイスの必要性が増している。今回、B Fluegelらは、プラズモニクスに基づく初の全光可変波長シフターについて報告している。波長分割多重を利用するネットワークにおけるトラフィックのルーティングには、データストリームの波長の制御・シフトが必要である。今月号に報告されている波長シフターは、GaAs量子井戸から作成した半導体サンプルでの信号ビームの跳ね返りを利用したものである。その信号ビームは、半導体中で光学的に励起されたプラズモンによってラマン散乱され、新たな波長となる。波長シフトの大きさは、サンプル中の光励起電子の分布を制御する制御ビームによって決まる。今回の手法には、多重同時信号波長との両立性、ビットレート透明性、偏光に対して鈍感であることなど、いくつかの潜在的メリットがあるとFluegelらは述べている。しかし、それが現実的な選択肢となる前に、動作温度(160K)と波長変換効率(10-9)を改善する必要がある。

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