Research Highlights

ロタキサン:触媒と機械

Nature Nanotechnology 2019, 719 doi: 10.1038/s41565-019-0507-x

ロタキサンは、環と軸という2つの構成要素でできた分子である。環には軸が通っていて、ストッパーの末端基があるため環は軸から離れることができない。軸は認識基(つまりステーション)を2つ含むよう作製することができ、すると環が化学信号に応答してそれらの間を往復できる。Biaginiたちは今回、2つのステーションの1つが触媒で、その触媒活性を、燃料の添加によって生じる過渡的なpHの変化の結果としてオン・オフできるロタキサン分子機械について報告している。

著者たちはチオ尿素とアミンのステーションを、軸に沿って組み込んだ。酸性条件下では、アミンがプロトン化して、軸がアンモニウム基と結合しやすくなる。塩基性条件下では、代わりにチオ尿素との相互作用が優先される。軸がチオ尿素ステーションを開けると、ロタキサンの触媒機能がオンになる。より正確には、ハンチュエステルによるニトロスチレンの還元をチオ尿素が触媒する。著者たちは、トリクロロ酢酸(時間とともにクロロホルムと二酸化炭素に分解する化合物)を加えて、酸性条件にした。トリクロロ酢酸は燃料に類似していて、この機械はこれを利用できるときにのみ動作する。著者たちは、わずかな燃料の逐次追加に対してこの系がロバストであることを示している。

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