Research Highlights

2D材料:発光バレー

Nature Nanotechnology 2016, 316 doi: 10.1038/nnano.2016.35

電子や正孔のスピンと同様に、一部の物質の電子バンド構造に存在するバレーもデータ処理に利用できる可能性がある。そうしたバレートロニクスデバイスの開発において、遷移金属ダイカルコゲナイドは、スピンとバレーが本質的に結合しているため、特に興味深い。南京工業大学(中国)、南洋理工大学(シンガポール)、南京郵電大学(中国)、シンガポール国立大学のW HuangとT Yuたちは今回、発光ダイオード(LED)における遷移金属ダイカルコゲナイドのバレーからの円偏光の放出を、電気的に調節して操作できることを示している。

HuangとYuたちは、WS2でp-i-nヘテロ構造を作った。外部磁場や偏光したレーザー光によってバレー自由度の制御が実現される従来の方法とは異なり、このバレーLEDでは、順バイアスをかけることによって円偏光エレクトルミネセンスが生じた。特筆すべきは、実験データから円偏光度と注入電流の強い相関が明らかになったことである。発光機構は標準的なLEDとは異なっているが、このバレーに基づくオプトエレクトロニクスデバイスは、偏光と強度を調節できることを特徴とする特異なエレクトロルミネセンス応答に加えて、優れたダイオード的挙動を示した。

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