Research Highlights

ウエアラブルLED:凹版印刷でRGB画素を作る

Nature Nanotechnology 2015, 715 doi: 10.1038/nnano.2015.151

フルカラーの高解像度ウエアラブルディスプレーの開発は、効率が高く、多色で変形できる発光ダイオード(LED)を画素として作ることが技術的に難しいため、妨げられている。コロイド量子ドットを用いたLED向けの従来の印刷技術では、赤–緑–青(RGB)サブ画素をフルカラーディスプレイに必要な精度で配列できず、画素形状の忠実度が十分でないため高解像度を実現できない。 今回、基礎科学研究院、ソウル国立大学、サムスン総合技術院、釜山国立大学(いずれも韓国)のT HyeonとD-H Kimたちは、最大解像度が2,460ピクセル・パー・インチのウエアラブルRGB画素のアレイを作るために、量子ドット向けの凹版転写印刷方式を用いている。

凹版転写印刷を用いて、さまざまな基板にコロイド量子ドットの極薄層を転写し、さまざまな形状とサイズの画素を形成できた。HyeonとKimたちは、6μm程度の大きさのさまざまな形の画素を、転写歩留まり100%で元のデザインとパターンを一致させて印刷できることを実証している。これと比べると、従来の転写方式は、35μmより大きな画素しか転写できず、歩留まりは30%以下である。この凹版転写印刷方式を用いて、さまざまなサイズの量子ドット層を転写でき、フレキシブル基板上のRGBサブ画素を実現できるようになった。このサブ画素は、曲げても安定な電気特性を示すウエアラブル白色LEDに使われている。さらに、こうした量子ドットLED は、ウエアラブル電子タトゥーにも利用されており、7 Vで14,000 cd m−2というこれまでで最高の輝度を示し、20%の歪みで1,000サイクル伸縮した後も安定していた。

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