Research Highlights

カーボンナノチューブ:電気化学的性質をマッピングする

Nature Nanotechnology 2014, 114 doi: 10.1038/nnano.2013.305

カーボンナノチューブの電気化学活性はよく分かっていない。高い変換効率がいくつか報告されており、センシングやエネルギーへの応用にナノチューブが役立つ可能性があると示唆されているが、より懐疑的な報告もあり、細かな副次的影響を捨て去れないでいる。この状況に光を当てるため、ウォーリック大学(英国)のP Unwinたちは今回、個々のカーボンナノチューブの電気化学的応答をマッピングできる顕微鏡技術を開発している。

この顕微鏡は、その底部に酸化還元活性のある溶液の小さな凸面が形成されるティップを用いている。カーボンナノチューブに電位をかけると同時に、このティップによってそのカーボンナノチューブが走査される。そのとき、ティップの凸面内で起こる酸化還元反応で生じる電流を測定することによって、ティップ位置の関数として、カーボンナノチューブの電気化学活性が記録される。この手法の分解能は約6 nmであり、欠陥の間隔は6 nmより広いため、欠陥の役割を説明できることになる。

この手法を用いて、適切な量のバイアス下では、金属型ナノチューブと半導体型ナノチューブ両方の側壁が、単純な単一電子変換に対して電気化学的に活性であることが示された。この結果は、これまで疑われていたものである。

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