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肺がんワクチン接種用の抗原の送達を行う改変インフルエンザウイルス

Nature Biotechnology 42, 3 doi: 10.1038/s41587-023-01796-7

抗腫瘍免疫応答を刺激するがんネオアンチゲンワクチンの開発は、腫瘍へのネオアンチゲン送達を巡る課題もあって進展していない。今回我々は、モデル抗原オボアルブミン(OVA)を黒色腫モデルに用いて、A型インフルエンザウイルス(IAV)に結合した抗原ペプチドを肺に送達するためのキメラ抗原ペプチドインフルエンザウイルス(CAP-Flu)システムを実証した。弱毒化IAVを自然免疫賦活剤CpGと結合させてマウス肺に経鼻投与すると、免疫細胞の腫瘍浸潤の増加が観察された。次に、クリックケミストリーを用いてOVAをIAV-CpG上に共有結合的に提示させた。この構造体によるワクチン接種は、ペプチド単独と比較して、樹状細胞によるロバストな抗原取り込み、特異的な免疫細胞応答、腫瘍浸潤リンパ球の有意な増加をもたらした。最後に、このIAVを改変して抗PD-L1ナノボディを発現させると、肺転移の退縮がさらに強化され、再移植したマウスの生存期間が延長した。改変IAVは、目的とするあらゆる腫瘍ネオアンチゲンを導入して肺がんワクチンを作製することができる。

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