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熱安定性COVID-19 mRNAワクチンのためのマイクロニードルワクチンプリンター

Nature Biotechnology 42, 3 doi: 10.1038/s41587-023-01774-z

マイクロニードルパッチ(MNP)型の熱安定性mRNAワクチンの分散製造は、コールドチェーンや訓練を受けた医療従事者を必要としないため、リソースの乏しい地域のワクチンアクセスを改善する可能性がある。本論文では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンのMNPをスタンドアローン型装置で印刷する自動化された製法を紹介する。このワクチンのインクは、mRNAが封入された脂質ナノ粒子と、高い生物活性を求めてin vitroの製剤スクリーニングで最適化された可溶化ポリマーブレンドによって構成されている。製造されたMNPは、モデルmRNA構造体を用いた評価で、室温において少なくとも6カ月間保存可能であることが示された。ワクチンの充填効率とマイクロニードルの溶解は、脂質ナノ粒子に封入されたmRNAが効果を発揮するマイクログラム規模の用量が1枚のパッチで送達可能であることを示唆している。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質の受容体結合ドメインをコードするmRNAを用いて手作業で製造されたMNPによるマウスの免疫化は、筋肉内投与と同等の長期免疫応答を刺激した。

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