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CD123を標的とする三機能性のNKp46-CD16a-NK細胞エンゲージャーによる急性骨髄性白血病の制御

Nature Biotechnology 41, 9 doi: 10.1038/s41587-022-01626-2

IL-3受容体のα鎖であるCD123は、急性骨髄性白血病(AML)治療の魅力的な標的である。しかし、CD123を標的とする細胞傷害性抗体やT細胞エンゲージャーは、臨床試験での有効性や安全性が不十分であった。我々は、ヒトIgGの高親和性受容体であるCD64のAML芽球での発現が、in vitroで抗CD123抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)に対する抵抗性を与えることを明らかにした。我々は、AML芽球上のCD123とNK細胞上のNKp46およびCD16aを標的とする三機能性のナチュラルキラー細胞エンゲージャー(NKCE)を作製した(CD123-NKCE)。CD123-NKCEは、CD64の発現とは無関係に初代AML芽球に対する強力な抗腫瘍活性を持ち、AML細胞の存在下でのみNK細胞の活性化とサイトカインの分泌を誘導した。マウスCD123+腫瘍モデルでの抗腫瘍活性は、基準となるADCC強化抗体を上回った。薬力学的効果は非ヒト霊長類で長期間持続し、10日以上にわたってCD123+細胞を抑制したが、広い用量範囲で毒性の徴候はなく、炎症性サイトカインの誘導は極めて弱かった。こうした結果はCD123-NKCEの臨床開発を支持している。

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