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高感度プロテオミクスのスループットを高めるplexDIA

Nature Biotechnology 41, 1 doi: 10.1038/s41587-022-01389-w

既存の質量分析法は大量の試料のハイスループットプロテオミクスを可能にするが、少量の試料のプロテオミクスは深度およびスループットに依然として限界がある。我々は、高感度プロテオミクスのスループットを向上させるため、ペプチドと試料の分析を同時に多重化する実験的・電算的枠組み「plexDIA」を開発した。plexDIAによる多重分析は、プロテオームのカバー率および定量的な正確さを低下させることなく、スループットを標識の数によって乗法的に向上させる。plexDIAは、3プレックスの非同重体質量タグを用いることにより、ナノグラムレベルの試料の間で3倍のタンパク質比の定量を可能とする。1時間の有効グラジエントを用いることにより、plexDIAは標識した3プレックスセットの各試料で約8000種類のタンパク質を定量してデータの完全性を高め、全試料の欠測データを半数以下に減少させた。ヒトの単一細胞に用いると、plexDIAは1細胞につき約1000種類のタンパク質を定量し、1つのplexDIAセット内で98%のデータ完全性を達成した一方、用いた有効クロマトグラフィー時間は1細胞につき約5分であった。以上の結果は、高感度で定量的なタンパク質分析のスループットを向上させる一般的な機構を確立するものである。

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