Review Article

SARS-CoV-2感染の単一細胞免疫学

Nature Biotechnology 40, 1 doi: 10.1038/s41587-021-01131-y

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する防御免疫や病理免疫と関連する免疫細胞サブセットや分子的因子の解明が進めば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンや治療薬の開発が促進される可能性がある。フローサイトメトリーやマスサイトメトリー、単一細胞トランスクリプトミクス、単一細胞マルチオミクスプロファイリングなどの単一細胞技術は、個別細胞間の免疫応答の不均一性の詳細な検討、およびCOVID-19発病の分子機構の解明に関して期待が大きい。これまでに発表されている単一細胞免疫プロファイリング研究では、COVID-19感染症の重症度と相関する自然免疫細胞と獲得免疫細胞のサブセットが明らかにされ、COVID-19のワクチンや治療法の開発に関連する可能性のある免疫因子と免疫経路も発見されている。SARS-CoV-2感染の免疫学に関する統合的研究やメタ解析を促進するために、我々は、公開されている21の単一細胞塩基配列解読データセットの標準化されたダウンロード可能なバージョン(合計細胞数320万個以上)と共に、データ探索用の双方向的な可視化ポータルを提供する。

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